2023.05.19
背景を理解する
学びの森は「学習」を媒介として子どもたち一人ひとりを理解することを大切にしています。しかし中には、「学習」になかなか取り組もうとしない子もいます。
先日、ある男の子が時間になってもずーっと本を読んでいる姿を見かけました。本を読んでいる表情からは、面白くてたまらないから読んでいるというわけではなく、なんとなく学習に向き合いたくないから読んでいるという感じでした。
その子の話をじっくり聞いていくうちに、塾や習い事でいっぱいいっぱいで、唯一学びの森ならゆっくり本を読んで過ごすことができる、でも親は学習をしてほしいと思っているし、自分も学習はしたいとも思う…みたいな考えを聞くことができました。
その考えを踏まえて、じゃあ学びの森でどんな風に過ごすのが良いかを一緒に考えようと伝えると、パッと表情が明るくなったのです。
僕たちは一方的に学習を押し付けることはしていません。こうしたやり取りをしながら、本当にその子にとって意味のある経験を積む機会を一緒につくることこそが「学習」だと考えています。